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DANCE TRAVEL & ART

JOURNEY

道東という可能性

2024 Oct.02

この夏。函館空港でレンタカーを借り、北海道を西から東に向かって8泊9日の旅程で各地を巡り、最後は女満別空港でレンタカーを返し羽田へ戻るというドライブツアーを行った。結果、9日間で1,800km、1日平均200kmの旅。函館、登別、ニセコ、などそれぞれの面白さはあったが、なかでも初めて訪れる道東エリアが想像をはるかに超えた発見があり、土着的(ヴァナキュラー)なツーリズムがこれから確実に盛り上がることを確信した。

上士幌のタウシュベツ川橋梁。ここは《簡単には辿り着けない》観光地。道路が細いとか荒れているとか車が入れないとかではなく、(1)林道の鍵をあらかじめ予約でゲットするか、(2)ツアー枠に入り込むか、のどちらかでしかそもそも物理的にアクセスできない。そうでない場合は1キロメートル近く離れた対岸から遠目に覗くことになる。この日も近くにアクセスするのはあきらめており、たまたま11時10分前に上士幌の道の駅に立ち寄ったなら、鍵のキャンセルが出たとのことで11時から抽選会のお知らせ。4組の希望者でくじ引きをしたところラッキーなことに当選し、ここまで辿り着けた。上士幌道の駅でこの橋梁跡のアクセス管理をなさっている方々のホスピタリティも素晴らしく、このプロセスを含め強烈な体験だった。

屈斜路湖の砂湯。登別の川湯など自然&温泉はいろいろあるが、砂を掘って「My温泉」を楽しむのは新しい(というか僕が知らなかっただけだが)。丁寧に掘って椅子をセットしてMy足湯を作っている人もいれば、人の形のねそべり温泉を作っている人もいるし、これは楽しい。

阿寒湖のアイヌコタン、サクラマスが本当に滝を登っているさくらの滝、真っ青な神の子池などを訪れながら、知床まで。知床の別世界観は想像以上。熊にはあわなかったが、ナイトツアーではシマフクロウを見ることができたし、道中の滝や温泉のワイルド感もすさまじく、ウトロから羅臼側に出れば国後島ビューにシャチ・クジラツアー。今回は1泊しかできなかったがもう少しゆっくり滞在したかった。

残念なのは、知床の宿と食の選択肢。大規模なところはいらないので、もっと小さく、もっと隠れ家的な、もっと自然と溶け込んだ宿やレストランがあれば、より没入できるのに。知床のスモールラグジュアリーには大いに可能性を感じた。

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